七つの子の教育学

大学教員による七人の子育てと教育問題についての雑感

Jリーグ観戦から女子サッカーの未来について考える

先日、Jリーグ観戦に行ってきました。

ジェフユナイテッド千葉vs清水エスパルス戦です。

四郎(仮名:四番目の子)のジェフスクール卒業イベントで試合前のピッチに入ることもできました!受験勉強中の二美(仮名:二番目の子)を除いてみんなで行きました。

さて、公式発表によるとこの日のフクダ電子アリーナの入場者数は14923名とのことです。相手は元日本代表GK権田選手やMF乾選手を擁する強豪。ジェフサポだってテンション上がるでしょう。

試合は残念ながら1-3で敗戦。でも、期待の10番小森飛絢選手の得点がみられたのだけでもよしとしましょう。

実はこの日はジェフレディースとのダブルヘッダーでした。トップチームの試合後に女子選手の試合が組まれており、観客は1回の入場料で2試合見ることが可能だったのです。ところが、公式発表で入場者数は986名!実に14000もの観客がレディースの試合の前にスタジアムを後にしたのです。(私たちも帰宅してしまったのでここに含まれています、レディースの選手の皆さん申し訳ないです)

当日、強風で寒かったこと、トップチームの敗戦など厳しい条件が重なってはいますが、ここに女子サッカーの興行的な難しさ表れています。

一郎(仮名:第一子)は「トップの試合前に前座でやった方がいいんじゃない?」との意見。確かにそうかもしれない。トップの試合開始、2時間前にスタンドに入場できるので観る人数だけを考えるとトップの後ろより前の方がよいかもしれないです。ただ、そうしないのは運営上何か意図があるのでしょう。

女子サッカーはかつての澤選手を擁して一世風靡した「なでしこJAPAN」の印象から華々しいイメージが残っていますが、その後は厳しい状況が続いています。近年、小学生のサッカーでも女子選手が活躍しており、未来は明るいように見えます。しかし、中学生以降の女子サッカーはまだ環境整備が不十分で誰もが選手として継続できる状況にありません。

かつて、女子の球技は『エースをねらえ』や『アタックNo.1』などのアニメにも象徴されるように、テニスやバレーボールが主流であり、これにバスケットボールやソフトボールが続くような状況でした。身体能力の高い女子選手はこうしたスポーツに流れていた傾向があります。

しかし、近年はサッカーや野球など昭和期に男子のスポーツとされた競技においても女子選手の活躍が目立つようになってきました。これはこれで良い傾向ではありますが、一方で負の側面もあるように感じます。野球、サッカーなどのフィールドの広い球技は男女の体力差(体格差)が競技のパフォーマンスに大きく影響するということです。テニスやバレーボールは興行的にも成功していたスポーツです。とりわけ女子バレーボールはネットの高さを男子よりも低くすることで女子でも迫力を生み出すことが可能でした。他方、女子の野球とサッカーは男子と同じレギュレーションで実施するため、観ている側は男子とのスピード感や激しいぶつかり合いなど迫力の差を感じざるを得ないのです。

この日のトップと女子の観客動員の差があったことは、女子の試合を無料でも観ないという多くのサポーターのメッセージが現れています。女子サッカーをどのように盛り上げていくのかは、競技力の向上や広報活動とかだけで解消する問題ではなく深刻な状況にあると感じた次第です。

観客が1000名規模であるなら、ホームのフクアリにこだわらずに県内の小さい陸上競技場などで小さく開催していくという方法もありそうですがどうなのでしょうか。