私は職場に2つのデスクを持っています。
この画像はそのうちの一つです。ここには以下の電子機器が置いてあります。
・LenovoのPC
・XP-PENのペンタブレット
・czurのドキュメントスキャナー
・dJIのアクションカメラ
皆さんは共通点にお気づきでしょうか。
実は、これらはすべて中国のメーカーの製品なのです(XP-PENは台湾)。
かつて、あまり評判のよくなかった安価な労働力の中国で生産されたメイドインチャイナということではありません。中国の企業の開発した製品なのです。
中国企業による電子機器に囲まれて生活することは一昔前なら考えられないことでした。ここに中国の勢いを感じますが、一方で日本は一体どうしたのでしょう。
以前、スマホを買い換える際、若い店員の方がこんな説明をしてくれましたことを思い出しました。
「iPhoneが性能がいいですが、googlepxelも遜色ないですよ。性能よりお値段で選ぶならソニーやシャープですね!」
1980年代から2000年くらいでは考えられなことです。アメリカの電子機器が日本のメーカーより性能が劣るとは…。
若い方はご存じないかもしれませんが、『バックトゥザフューチャー』という1985年の大ヒットSF映画がありました。主人公が1980年代から30年前の1950年代にタイムスリップするストーリーで3部作となっています。そのPART3における1950年代の場面で、登場人物の一人(ドク)が1950年代では粗悪品の代名詞であった日本製品を貶める発言をします。
この発言に対して80年代からやってきたマーティーは、
「何言ってんのドク? いいものはみんな日本製だよ!」
かつてのアメリカと日本の関係と同じことが、日本と中国の関係に生じているのでしょう。上記にあげた電子機器はかつて粗悪品のイメージのあったメイドインチャイナとは異なり、非常に高性能なのです。
とりわけアクションカメラは日本にはこうした高性能なカメラを開発する発想や技術があるのかと心配になってきます。
大手家電量販店に行くと、その売り場はいまだにデジタルカメラとビデオカメラに分かれています。スマホが静止画と動画を1台で扱える時代にこのような分け方をいつまで続けているのでしょうか。
わが国のビデオカメラ市場は、ソニーが何十年も前に開発した画期的なビデオカメラであるハンディカム以来のビジネスモデルにこだわり続けているように見えます。日本国内でも若者がビデオカメラを手にする光景はすっかり見られなくなりました。かつて外国人観光客が手にするビデオカメラはすべてといっていいほど日本製でした。
ビデオカメラ売り場を見ていると、そこにあるのは高画質を売りにする日本のメーカーのみです。web上ではアクションカメラなど多様なカメラが購入できるのに…。ここに世界の市場から取り残されてているかのような哀愁を感じてしまうのです。
「失われた30年」とはよくいわれることですが、かつて日本の強みでもあった電子機器の開発で遅れをとるようになってしまった原因は何なのでしょうか。私のような科学のイロハもわからない人間にとっては、技術的な課題について考察することができません。教育学に寄せて考えれば、教育が悪かったから?、教育はよかったが優れた人材が流出してしまったから?と考えざるをえません。後者ならまだ救いがある気がしますが、前者だとすると…。諸外国のように日本も優れた人材を意図的に育成していくことも考えていく必要があるのでしょう。