東京都教育委員会が若手教員に大規模なアンケートを行ったそうです。
「感情的に部下を指導する」「今忙しいから(話しかけないでください)」といって質問できる雰囲気を作らないなどは学校以外の職場でもありそうです。
ただ、学校現場で最も大きな課題だと思うのは、「生徒のいる前での叱責」ではないでようか。これほど一人の教員の自尊心を傷つける行為はないといってよいでしょう。
この件、妻(昨年まで小学校で勤務)や卒業生(現場の小学校教員)からも耳にしており大変憤りを感じていました。学年主任や中堅の教員が児童の前で若手の教員を指導するというのです。1年目の卒業生からの報告では、学年主任の教員から授業の進行について自分のクラスの児童の前で「その授業は何の意味があるの?」など言われているとのこと。こんなこと繰り返されたらどんなにタフなメンタルの持ち主でも心が折れていくはずです。
これは、決して若手教員に指導することを咎めているのではありません。若手の指導はその場でするのではなく後で職員室でやればよいのです。1組の学年主任も2組の新任教員も3組の中堅教員も児童生徒の前ではみんな一人の立派な先生なのです!
大学でも模擬授業や教育実習で練習していますが、1年目からうまくできるはずがないという前提に立って若い教員を育てて欲しいと強く願います。
20年も前に私がいた現場ではちょっと考えられないです。
かりにどんなに指導力がない先生でも児童生徒の前で指導されることなんて考えられないし、たとえ自分と反りが合わない先生がいたとしてもその先生を児童生徒の前で批判することは考えられませんでした。これは教員間での暗黙の了解であったように思います。
それはなぜか、たとえば人気者になろうとしてA先生が指導力のあるB先生の悪口を謂うとします。そうするとA先生は児童生徒にとって「いい人」になれるかもしれませんが、B先生のその学校現場における指導力が低下します。そうすると結局、学校全体としての指導力の総量は低下することになるのです。
学校現場はまさにチーム学校でそれぞれが役割を担って指導しているのですから。
かく言う私も先日、ある先輩教員から大学生の前で私の研究領域を貶めるような発言をされました…。(受け流すことはできますがやはり不愉快であります)
そんな現場だったらブラックと言われてそりゃ若手教員は辞めていくのも無理ないよね、という感じです。
みんな先生たち心に余裕がないのかな。
学校現場が若い先生もベテランの先生もお互い気持ちよく働ける場所となって欲しいです。